こんにちは。ますますさんです。
時制は英文法の中でも、多くの日本人が苦手な分野ではないでしょうか。
そもそも日本語に時制という概念がはっきりとないのが原因ですね。
しかし、英語には欠かせない概念です。
しっかりと時制の感覚を身につけていきましょう。
現在形
現在形の現在は存在しない?
まずは基本の現在形から。
でも、この現在形の概念が意外と知られていない。
というのも、現在形はただ現在を表す時制ではないのです。
今現在を表す時制ではありません。
では現在形は何を表すのか?
実は現在形は現在も、過去も、そして未来も表すのです。
え、でも過去には過去形があるし、もちろん未来には未来形があるじゃないですか。
はい。そうです。ですから現在形が示す過去や未来は少し異なっています。
では現在形が示す過去や未来とは何でしょうか。
現在形は「現在を表すとともに、近しい過去や未来も同時に表す」というのが本来の概念です。
すなわち、今現在というよりは少し幅のある現在を示すことになります。
例文を見ながら解説していきます。
I go to school. 「私は学校へ行きます。」
おそらく一般動詞を習った際に一番初めに出てきた文だと思います。
こんな簡単な文にも、きちんと現在形の概念が詰まっています。
仮に、現在を表すとして大げさに訳してみると
「私は現在学校へ行きます。」
となり、やはり変ですよね?
でも、近しい過去、未来も表すとして訳してみると
「私は過去も、現在も、そして未来も学校へ行きます。」
あれ?こっちのほうがまだしっくりきませんか?
一週間前に学生だった人はおそらく今も学生で、一週間後も学生でしょう。(卒業シーズンは違いますが)
この「過去も現在も未来も学校へ行く」というのは、いわば習慣として行なっていることを意味しています。
The sun rises from the east. 「太陽は東から昇る。」
これも「太陽は現在東から昇る。」と訳すとやっぱりおかしいですよね?
まるで昔は西から昇ってたみたいな文章になってしまいます。
やはりこれも習慣なんですね。もっと言えば一生変わることのない、万里の法則です。
「習慣や万里の法則は現在形で表す。」
英語学習者ならこのような言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
なんか現在形の特別な用法みたいに聞こえますが、これが本来の使い方なんですね。
こんな言葉は忘れて、ただ「普段するようなこと、昨日、今日、明日もすること」と覚えておけば OK です。
ただ、全ての現在形が過去も現在も未来も表すのかと言うとそうではなく、
状態を表す動詞(状態動詞)はこの類ではありません。
例えば以下のような場合です。
1. I have an apple. 「私はリンゴを持っています。」
2. I love you. 「私はあなたを愛しています。」
リンゴを昨日も今日も明日も手に持っている人って普通はいませんよね。
また、「愛してる」というのも、それは今であって、これから先はどうなるかわかりません。
明日には破局しているかもしれません。
このように一定期間の状態しか表さない動詞は「過去、現在、未来」の概念はあてはまりません。
(動作動詞と状態動詞については”もっと詳しく”を参照)
現在形をまとめてみましょう。
まとめ
現在形とは「過去、現在、未来を表す時制」である。
ただしこれは動作動詞の場合で、状態動詞は現在の状態を表す。
さて、現在形の概念がわかったところで、一つ疑問が生じてきます。
じゃあ、今現在を表す時制は一体何なのか。
現在進行形がそれにあたります。
次は、現在進行形をみてみましょう。
もっと詳しく
動作動詞と状態動詞
run や walk、goなどの動きや動作を表す動詞が「動作動詞」で、
love や like、live などの一定期間の状態を表すのが「状態動詞」です!
と言われても、わかりませんよね。(もちろんそんな説明はしません)
動作動詞と状態動詞の一番の違いは、すぐにその行為を止めれるかどうかで判断します。
たとえば、run「走る」やwalk「走る」は run → walk → runと動作を瞬時に変えれますよね。
一方 like は like → dislike → likeのように瞬時に好き嫌いがコロコロ変わることはないです。
このように瞬間的に動作を変えたり止めたりできれば「動作動詞」できなければ「状態動詞」となることがほとんどです。
また、動作動詞は進行形の形をとれますが、状態動詞は基本的にはとれません。
なぜなら、状態動詞は、今現在の状態だけでなく、一定期間の状態を表すからです。
ただし、例外的に、「一時的な状態」を表す場合は進行形も可能です。
例えば、I am living in Osaka. なら「(普段は違うけど、一時的に)大阪に住んでいます。」
という感じになります。
また同じ動詞でも、「動作動詞」と「状態動詞」の両方がとれるものもあります。
have がその一例で、「持っている」は状態動詞ですが、「食べる」は動作動詞です。
I have a book.「私は本を持っています。」(進行形不可)
I'm having lunch.「私は昼食をとっています。」(進行形可)
現在進行形
今この瞬間とその先を見据えた現在進行形
「今暇?何してるー?」「今彼女とデートしてる」「...」
上の会話のように、今、この瞬間していることを表す時制、それが現在進行形です。(あれ?普通の説明...)
基本はこの考え方で大丈夫なのです。
「今この瞬間の動作」とは、「ある動作が始まってから終わるまでの間の途中の動作」というイメージです。
まるで、写真でその瞬間を切り取ってきた感覚です。
例えば、
I'm watching TV. 「私はテレビを見ています。」
なら、少し前にテレビを見初めて、今はその途中ということになります。そしていずれ終わります。
このように、短い時間の流れを感じることができます。だから、進行形と呼ぶのです。
進行形は、基本的には「動作動詞」がとれる形で、「状態動詞」はこの短い時の流れの枠には収まらないのです。(詳しくは前ページ参照)
さて、現在進行形のもう一つ重要な使い方の一つが、確定した未来を表す用法です。
I'm traveling to Hawaii next month. 「来月ハワイへ行く予定です。」
この感覚はどこからきたのでしょうか。
現在進行形は”進行形”というくらいで、時の流れを感じることができるといいました。
現在進行形が表す未来は、これから先の予定などに向けて、着々と準備をすすめていることが表現されます。
例文だと、旅行をしようと決めてから、まず飛行機をとって、次にホテルを予約して、、、という感じです。
ちゃんと、始まりと終わりがあって、その途中段階であることがわかりますよね。
だから進行形で未来が表現できるのです。
で、ここまで準備しているわけだから、悪天候で飛行機が飛ばなかったり、突然体調がすぐれなくなったりしない限りは、決行されるはずです。
だから、現在進行形で表現される未来は「確定未来」となるわけです。
さて、では次の文章はどうでしょうか。
A: He seemed to be in a bad mood, again. 「彼、また不機嫌そうだったわよ。」
B: Yeah, he is always complaining. 「そうね、彼はいつも不平ばかり言っているわ。」
この会話は彼がいないところで行われています。
Bの発言は、今、彼が不平を言っている瞬間ではないのに、現在進行形が使われています。
なぜでしょうか。
それはBの脳内で、彼が不平を言っている姿が浮かんでいるからなんです。
このように、日常的に、頻繁に起きることを表現する場合にも現在進行形は使われます。
現在進行形は、まるで写真で切り取るような感覚と言いましたが、同じような瞬間の光景が繰り返されているというイメージを持てば、この使い方も納得できるのではないでしょうか。
また、日常的に起こるということはまた起こる可能性が高いわけで、
ここにも先ほど説明した未来感は含まれているとも言えるでしょう。
さて、ここまで見てきた現在進行形をまとめてみましょう。
まとめ
現在進行形は「何かの途中段階を表現する時制」である。
現在進行形を用いれば、今この瞬間、確定した未来、そして何度も起こることを表現できる。
最後に、現在形と現在進行形の時間軸をわかりやすく図示しましょう。

今回は、今現在とその付近の時制を見てきました。
現在形と現在進行形の感覚をきっちりとつかむことで、他の時制との違いがより明確になりますよ。
難しいですが、頑張っていきましょう!!