ここではTOEICの一番初めの設問であるPart1について、その特徴や解き方、対策方法を徹底解説します。
Part1は問題数も少なく、対策も明確なため全問正解が狙えます。
しっかりと学んで全問正解を目指していきましょう!
Part1の特徴
問題の構成
まずはPart1の問題構成を見ていきましょう。
Part1は写真描写問題で問題数は6問です。問題の内容は以下の通りです。
1つの写真について4つの短い説明文が1度だけ放送されます。説明文は印刷されていません。4つの説明文のうち、写真を最も的確に描写しているものを選び、解答用紙にマークします。
試験が開始されるとまずリスニングテストの説明が始まります。その後すぐにPart1に移り、上図の説明と例題が述べられます。そして設問へと進みます。
この試験開始から設問までの時間は約1分半です。この間、律儀に説明を聞く必要は全くありません。Part1の写真にさっと目を通したら、他のリスニングpartの先読みの時間に使うなど、少しでも有利に進めていきましょう。(リーディングセクションへの移動は禁止されており、カンニングとみなされる場合があるので注意。)
写真の種類
さて、次に出題される写真について解説します。写真に何が写っているかである程度問題の予測ができます。
ここでは写真を大きく3つに分類して、それぞれの特徴を述べます。
① 人物が大きく写っている問題
この場合、説明文は人が主語であることが多いです。従ってその動作(動詞)と後に続く語句をしっかりと聞き分け、写真に最も近いものを選びましょう。
ポイントとしては、人物は1人か複数人なのか、どういう動作や状態なのか、何が周りにあるのかなどを判断します。
人物が複数の場合、全てに当てはまるのか、特定の人だけについてなのかも重要になってきます。
Part1では、写真を見たらまず、動作や状態、周りの物をできるだけ英語で想定しましょう。その方が反応しやすくなります。(もちろん想定とは違う言い方になる場合もありますが。)
注意点として、物が主語になる場合(受け身や存在)もあるので、物が主語だからと言って早々に間違いと判断はしないようにしましょう。(次項で説明します。)
② 人物と情景が半々くらいの割合で写っている写真
この場合、説明文は人が主語である場合と物が主語である場合の両方が流れてきます。
人が主語である場合は、①と同様に考えれば大丈夫です。
物が主語の場合はその状態や態・時制に着目しましょう。(次項で解説。)その際、存在しないものについて述べている場合はもちろん不正解となります。
③ 情景が大半を占め、人物が小さいか全く写っていない写真
この場合、人が主語になることはほぼありません。物や情景の状態や態・時制に着目して、適切に表現している選択肢を選びましょう。
Part1の解き方のコツ
さて、ここまでである程度Part1が理解できたところで、実際に例を出しながら問題を解く際のコツや注意すべき点について解説していきましょう。
主語に注意
写真の種類で述べたように、主語は非常に大事です。また文頭に来ることが多いので、聞き逃さないようにする必要があります。(リスニング問題そのものがそうですが)
人物なのかそれ以外なのか。単数なのか複数なのか。そもそも写っているかどうかなどに注意すれば良いでしょう。
それでは例題を見ていきましょう。
(A) They are standing in front of the window.「彼らは窓の前に立っている。」
(B) One of the men is pointing at the whiteboard. 「男性の1人がホワイトボードを指している。」
(C) One of the men is holding a mug.「男性の一人がマグカップを持っている。」
(D) There are piled documents on the desk. 「机に書類が山積みになっている。」
さて、まず写真の種類としては①になります。従って、人物が主語である場合が多いです。
(A)の主語はtheyであり、その場合写っている人物全員を指します。従って、男性2人に共通することが述べられなければなりません。しかし、続く動作がare standingであるため不適切です。
(B)と(C)は主語がone of the menなので、どちらか一方の男性に当てはまっていれば正解となります。
(B)はwhiteboardが写っていないため不適切です。
(C)は右側の男性がマグカップを握っているので適切な描写となり、これが正解となります。
(D)はthere is/are構文になっています。この場合後ろに続くのが人なのか物なのかが重要になります。今回はpiled documentsなので物になります。書類が山積みの状態でもなければ、机も見当たりませんので不適切です。
写真の種類が①であっても(D)のように周りの物について述べられる場合やそれが正解となる場合もあるので注意が必要です。
その他、3人以上の人物が写っていて、some popleが主語であれば、そのうちの何人かに当てはまればよかったり、
「all (the) 〜(複数)」が主語であれば、全てが該当しなければならないなど、主語によって視点が変わってきます。
動詞と態・時制に注意
次に動詞と態・時制について解説します。この手の説明文は引っ掛け問題だったり、少しだけ難易度が高くなることがあります。
動詞
例えば、次の写真で述べられた文章(A)、(B)のどちらが適切でしょう。
(A) A woman is putting on safety glasses.
(B) A woman is wearing safety glasses.
さて、写真の女性はsafety glasses「保護メガネ」を身に着けています。
ここで重要になってくるのが動詞の違いです。
put on ~ は「〜を身につける」という動作を表す動詞で、wear ~ は「〜を身につけている」という状態を表す動詞です。また時制は現在進行形です。従ってそれぞれの訳は
(A)「女性が安全メガネをかけようとしている(最中だ)。」
(B)「女性が安全メガネを(一時的に)かけている。」
となり、適切な文章は(B)となります。
このように動詞が動作動詞か、状態動詞かで表す内容が変わることがあるので注意が必要です。
態・時制
また、動詞の態・時制も非常に重要です。
態とは能動態か受動態かのことです。基本的に、人が主語の場合は動詞は能動態が多く、物が主語の場合は動詞が受動態であることが多いです。
また時制は現在形や現在進行形、現在完了形が多く、過去形や未来形はあまりありません。
特に、TOEICが好きなのが「受動態+進行形」で「be動詞+being+過去分詞」となった文章です。訳としては「(主語)が~されているところです。」となります。
例を見て見ましょう。
(A) A man is operating a mower.
(B) Lawns are being mowed by a man.
(C) A machinery is in operation.
(D) Lawns have been mowed by a man.
さて、上の(A)~(D)のうち(D)以外はすべて正解になり得る説明文です。
(A)は人が主語で能動態です。時制は現在進行形なので、「男性が芝刈り機を操作している。」となり適切です。
(B)は物が主語で受動態です。時制は現在進行形なので、「男性によって芝生が刈られているところです。」となります。これが先ほど説明したTOEICがよく使う文です。動作の最中を表しているので適切な文となります。引っ掛けにもよく使われるので、beingが聞こえたら注意しましょう。
(C)は物が主語で能動態、時制は現在形です。in perationが状態を表す語句なので、「機械が作動中である。」となり適切な文です。
(D)は物が主語で受動態、時制は現在完了形です。現在完了形は動作自体は完了しているので「男性によって芝生が刈られてしまった。」となります。まだ動作途中なので不適切な文となります。
単語に注意
さて、3つめは「単語に注意すべし」です。
一言に単語といっても様々なことが言えますが、特に音が似ている単語と言い換えに注意してください。これらはPart1だけでなく他のリスニングやリーディングでも言えます。
発音が似ている単語の例としては、walk「歩く」とwork「働く、仕事」、curb「縁石」とcurve「曲線、曲がる」、fold「折る、折りたたむ」とhold「抱く、開催する」などがあります。
これらは引っ掛けによく用いられたりします。音で聞き分けが難しくても文全体の意味を考えて判断しましょう。
また言い換えでは、リスニングの場合、具体的なものを抽象的な言い方にすることがほとんどです。
例えば、T-shirt → clothing「衣類」、car → vehicle「車両、乗り物」、pot/pan/oven → (kitchen) utensil/appliance「台所用品/キッチン家電」などです。
このような一般的な語句が出てきたら何かを言い換えていると考えて正誤を判断しましょう。
Part1の対策
さて、解き方のコツがわかったところで、最後に対策方法を解説します。
頻出語彙を押さえよう!
まず、対策の一つとしてはPart1によく出る語彙を押さえるということです。
Part1の特徴として、他のパートにはあまり出てこないがPart1には常連のように出ている語彙があります。
中には普段の生活においてあまりなじみのない言葉もあります。
例えば dock、scaffold、curb、patio、pier、awning などです。(すべてわかりますか?)
単語を覚える際は、画像検索を利用してその単語を聞くとすぐにイメージが出てくるようにしましょう。
そうすることで、写真描写に対応しやすくなります。(上記単語はすべてイメージできるべき単語です。)
写真やイメージと一緒に覚えるので、忘れにくくなることもメリットの1つです。
例文を映像化しよう!
写真描写問題は試験同様、写真を見て述べられた文章から最適なものを選ぶというトレーニングとは逆に、述べられた文章から写真を頭の中で描写することでも力を養うことができます。
つまり問題集や過去問等でPart1の問題を解いたら、今度は音声だけを聞いてそれぞれの英文を頭の中で映像化してみるのです。
このトレーニングがしっかりとできれば、態・時制で少し難しい問題でもすぐに情景が浮かぶようになり、判断ができるようになります。
1回の試験で4×6=24回も練習できるので、非常におすすめです。
Part1まとめ
さて、ここまでPart1を詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
以下に簡単にまとめてみますね。
ココがポイント
Part1の攻略
1. 写真を見たらタイプを分類して、後の説明文に備えよう!
2. 説明文は主語、動詞とその態・時制、似ている単語・言い換えに注意しながら聞こう!
3. Part1特有の単語を覚え、映像化の練習をしよう!
Part1は具体的なコツや対策方法があるので、しっかりと対策できれば確実に正答率は上がります。
日頃の生活でも、風景を見たら英単語が出るくらいになるといいですね。
頑張って100%正解を目指しましょう‼︎